小諸なる古城のほとり


島崎 藤村 作詞
弘田 龍太郎 作曲


1)
小諸なる古城のほとり
雲白くゆうし悲しむ
緑なすはこべは萌えず
若草もしくによしなし
しろがねのふすまのおかべ
日に溶けて淡雪流る

2)
あたゝかき光はあれど
野に満つるかおりも知らず
浅くのみ春は霞みて
麦の色わずかに青し
旅人の群はいくつか
畠中の道を急ぎぬ

3)
暮行けば浅間も見えず
歌哀し佐久の草笛
千曲川いざよう波の
岸近き宿にのぼりつ
にごり酒にごれる飲みて
草枕しばし慰む