芍薬の花

芍薬の花

ふと    吉原幸子

なにか とてもだいじなことばを
憶ひだしかけてゐたのに

視界の左すみで
白い芍薬の花が
急に 耐えきれないやうに
無惨な 散りかたをしたので

ふり向いて
花びらといっしょうに
そのまま ことばは 行ってしまった

いつも こんなふうに
だいじなものは 去ってゆく
愛だとか
うつくしい
瞬間ときだとか
何の秘密も 明かさぬままに

さうして そこらぢゅうに
スパイがゐるので
わたしはまた 暗号をつくりはじめる
ことばたちの なきがらをかくして




吉原幸子・・・昭和7年・東京生まれ・詩集・「オンディーヌ」など 

シャクヤク

キンボウゲ科の多年草。古く中国より渡来した。6月ごろ、 高さ1メートルほどの茎の先に美しい花を開く。白色、淡紅色が一般的だが、濃紅色や絞り、一重咲き、八重咲きなど園芸種は多い 、名前は漢名の芍薬を音読みにしてつけられた。根をブドウ酒に混ぜて飲むとあらゆる内臓の痛みや黄疸、腎臓病、膀胱炎を治し 他にも胃、気管といった万能薬ぶりを聞きますが真意の程はわかりません。現代では、血行を良くし、筋肉の緊張を緩める作用がしられています。 よく似た牡丹との違いは、牡丹は木で、芍薬は草であること、牡丹は芍薬の根に接木して繁殖します。


手入れのポイントは、小さい鉢では、毎年咲かせることは難しいので、大き目の鉢で育てます。花が終わったら花だけを取り、 葉や茎を傷めないように管理をしましょう。



花言葉・はじらい、はにかみ