松の花

松の花・鶴見緑地公園にて撮影

風にのる智恵子   高村光太郎

狂った智恵子は口をきかない
ただ尾長や千鳥と合図する
防風林の丘つづき
いちめんの松の花粉は黄色く流れ
五月晴れの風に九十九里の浜はけむる
智恵子の浴衣が松にかくれ又あらわれ

白い砂には松露しょうろがある
わたしは松露をひろひながら
ゆつくり智恵子の後をおふ
尾長や千鳥が智恵子の友だち
もう人間であることをやめた智恵子に
恐ろしくきれいな朝の天空は絶好の遊歩場
智恵子飛ぶ




高村光太郎・明治16年、東京都生まれ・「知恵子抄」詩集 「道程」「典型」その他 

松の花

松科の常緑高木。雌雄同株で、4月ごろ、新しい枝の先に2〜3個の紫色の 雌花がつく。その下に薄茶色の雄花が群がってつくが、米粒ほどで咲くというのはにそぐわない素朴なものである。風が吹けば 雄花は花粉を飛ばす。雄花は後には松かさとなる。名の由来は樹齢を長く保つので保つもつからマツになったという。 黒松は海岸地に、黒松は内陸に分布します。

松の画像・大阪市鶴見緑地公園、4月撮影

花言葉・ 不老長寿