蓮華の花

レンゲの花
春の思ひ出   中原中也

摘み溜めしれんげの華を
夕餉に帰る時刻となれば
立迷ふ春の暮靄の
土の上に叩きつけ

いまひたびは未練で眺め
さるげばなく手を拍きつつ
路の上を走りてくれば
暮れのこる空よ

わが家へと入りてみれば
なごやかにうちまじりつつ
秋の日の夕陽の丘か炊煙か
われを暈めかすもののあり

古き代の富みし館の
カドリール ゆらゆるスカーツ
カドリール ゆらゆるスカーツ
いつの日か絶えんとはする カドリール



高橋渡・大正11年、兵庫県生まれ・詩集「犬の声」「見据える人」他 

レンゲ

マメ科の2年草、鎌倉時代前後に中国から渡来した。水田の緑肥 として栽培されてきたが、見渡すかぎりレンゲが咲く田園風景は見られなくなってきている。3〜4月ごろ、高さ10〜 20センチの茎に小さな蝶形花が、輪状に7〜10個集まって紅紫色に花を開く。蜜源植物で蓮華の蜂蜜は良く知られている。



花言葉・ 私の幸福