杏の花

アンズの花

    杏  伊藤海彦

この大地の傷みから噴きあげて

杏の花は そよぎ切なく到りつき

どのようないざないの風に招かれ

たえがたい香りをかくも高くはむすび得たか


あこがれていた瑠璃色の果へ

なおもその身を反らせると

葩は世界のまえにただひとり透き

その背後の美しいはるけさをわれらに告げる


そしてふと 花は堕ちる

反りつめた光のたまゆらを

いく重にもつつみもった影のなかから

信じられたひとつのしるしたちのぼるとき




  伊藤海彦  大正14年 東京生まれ、詩集「影の変奏」、詩劇集「夜が生まれるとき」など

杏の花

開花時期は3月ー4月頃で、ピンク色の少し赤いサクラと比べれば少し大柄の花です。
香りもよく、中国原産で奈良時代に梅とともに中国から渡来したといわれています。実も香りがよく、食べられます、6月ごろ熟し、 ジャム、果実酒などに使われ、実の中の核は、アンニン,が含まれ、咳止め、鎮静作用に効果があるようです。



花言葉・ 乙女の恥じらい